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「ははっ。本当に魔導師らしくないな。でも、着ているマントは本物だし、何より魔導師ではないものがそれを着たら死罪だからな。偽者ではないんだろ?」
「もちろんですよ。それより、あなたは?」
胡散臭さはあんたも一緒だろと、ラグランスは訊き返す。
「ああ。俺はこの町の外れ、ほら、お城と反対側のこんもりした丘の上に小さな教会があるのが見えるだろ? あそこで神父をやってるトムソンってもんだ。魔導師様のお名前は?」
「ば、馬鹿にされている気がする。ラグランスです」
素直に名乗ると、頭をわしゃわしゃと撫でられた。さっきの悪口ではないが、完全に犬扱いされている。
「ははっ。素直でいいねえ。そんな奴が魔導師なんて似合わない職業をしているのは、あれか?」
そう言ってトムソンは教会と反対方向の城を指差す。そう、マクスウェルの住む城だ。
「え、ええ。それが目的です。あと、似合わないってさらって言わないでもらいたいですね。一応、そのマクスウェルと切磋琢磨した関係で、ぐぅ」
そこでトムソンに口を手で掴まれ、喋れなくなる。
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