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「それにしても、どうして魔導師がここにいるのよ。王朝はここを刺激しないと決めているはずよ。魔導師は進入禁止のはず。討伐しないと決めているんだからね。それに奴隷を餌として献上しているのは周知の事実でしょ。それなのに、なんでいるの?」
ずびっと指差され、矛先がラグランスに向いた。
「こいつ、そのマクスウェルとお友達だったんだと」
「はあ? こんなアホ面の男と?」
シスター、一切の容赦がない。ラグランスは思わず顔を引き攣らせていた。
「いや、一応彼も魔導師だから。見た目通りの馬鹿じゃないはずだし、アホでもないはず」
そんなラグランスを不憫に思ったのか、頑張ってトムソンが取りなしてくれるが、それがますます情けなくなる。
「もう、何とでも言ってくれ」
自分が馬鹿だということは自覚しているので、弁明してくれても恥ずかしさしかない。だからもう、その点に関しては解放してもらいたかった。
「いやあ、悪いね。こちらシスターのラピス。非常に口が達者だ」
「そのようですね」
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