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実際、ラグランスの目の前で一人の人間が食われた。それも衝動的に食らいついたように見えた。じゅるじゅると血を啜り肉を食らう姿は、三年経った今も鮮明に記憶している。
そして、彼はその被害者のぼろぼろになった身体を抱きかかえたまま、どこかに消えてしまった。しかし、すぐにこの町外れの古城を拠点とし始め、今に至っている。
「俺は、マクスウェルと話がしたいんだ。どうして吸血鬼に堕ちてしまったのか、ちゃんと知りたい」
「――」
ぽつりと呟いた言葉に、トムソンもラピスも顔を見合わせた。その素直な呟きに、どうやら今までやって来た魔導師とは違うらしい。それが伝わった。
「本当に友達だったの?」
「うん。俺は落ちこぼれだったけど、一緒に神学校で学んだ同級生だった。だからまあ、向こうが友達と認識しているかは怪しいんだけど」
「おやおや」
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