堕天の魔導師

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「なるほどね。ま、何にせよ、実態を調べるってことだよな。だったら手伝ってやるよ。ただし、倒すのには同意しかねるし、いくらお前が魔導師だとしても無理だと思うね。解ってるだろ? 奴は今でも史上最強の魔導師様なんだよ」 「わ、解ってるよ」  自分では到底敵わないかもしれない。それはずっと考えていたことだ。実力の差は明確で、しかも人の血肉を啜ることでよりパワーアップしているかもしれない。ただでさえ勝てる見込みは少ない。  さらに今、マクスウェルが正常である可能性を知ってしまった。そうなると、より勝てる見込みはなくなる。相手は頭脳明晰で知略に長ける。こちらが策を弄しても見抜かれるだろう。さらに魔導師としての能力はお墨付き。ラグランスが魔導師特有の法力を使えるようになったところで、正面から当たって勝てる相手ではない。でも、今どうなっているのか。それを知らないことにはどうしようもない。 「そういうことだな。寝泊まりはここでしてもらうとして、自警団の連中にも手伝って貰うか。奴らはあんたのこと舐めてるし、倒しに来たなんて微塵も思わないだろうからな」 「た、倒しに来たとは」
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