堕天の魔導師

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「無駄話をする暇があるんだったら、掃除でもしろ!」  そして二人まとめて怒鳴られるのだった。 「ラピスこそ魔導師になるべきじゃないかな。そんな気がしてきた」 「ああ。別に年齢制限も性別制限もないからな。今度、勧めておこう」  そんな会話をしながら町を歩くラグランスとトムソンは、途轍もなく疲れていた。というのも、みっちり二時間掃除してから出ることになったせいだ。それはもう、普段は掃除しないような祭壇の裏側なんかまで掃除した。人数がいるからと、ラピスは勝手に大掃除デーにしてしまっていた。 「夕食までには戻って来なさいよ。ご飯の用意が面倒になるんだから」  そして、そんなお母さん的発現をして送り出してくれた。二人の手には、途中でお昼を食べるだろうと、サンドイッチまである。 「余計な金は使うなって事だけどな。うちの教会って金が無いし」 「ああ。やっぱりここだと教会は風当たりが強いのか?」
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