41. チートな能力が欲しい 

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 波状攻撃に超巨体がのたうち回る。  魔法刀最強!?  本当にこれを作った人は凄い、でも名前のセンスはどうにかならないだろうか? 刻宗はいいとして、繰り出される技の名前が怪しい。  きっと刀を叩き上げてる時にお腹も空いてたのかな~~。  いや、この刀を造った人は関係ないか、どっちかって言うと、以前の刀の持ち主が考案した技の方が正しいな。  学校の図書室で読んだ刀の作り方にも、寅と人間がタッグを組んで馬鹿デカイ狐の妖怪を退治する話にも有ったけど、名刀だの業物を作り上げるには物凄い時間と労力が掛かる……らしい。 「刀もカッコイイけど、獣の槍ってのもいいよな~~」 「ケモ耳とやるってのもいいよな? 戦闘中に何を言ってんだ守は」 「いや、そんなこと言ってないから」  うっ、なんだこの背中にゾクゾクと刺さる視線は。  振り向くと業火の瞳でエルジュが射貫く様に俺を見ていた。  怖っ、怖っ、怖っ!? 「よそ見しとる場合じゃないで守」 「うおっ……お……と、危ない危ない」  マジか、さっき結構なダメージを与えられてと思ったのに、いつの間にか奴は復活している。    しかも、さっきは持っていなかった棍棒のような物を持っている。それは全体がマグマの熱で覆われているのか、ところどころがブクブクブクブクといっている。  あんなのに触れたら大火傷じゃ済まないな。  SBのドキュメンタリー番組で見た、火山のマグマだまりにそっくりだ。 「守る、気ぃつけーーよ。あんなのに当たったら即御陀仏やで」 「そんなの言われなくても分かるよ刻宗」  さっきからゴボ、パスン、ゴボ、パスンと言いながら、棍棒の内部から紅黒い泥が噴き出し、落下した箇所はまるでそこが元々温熱地帯であるかのようにブクブクと言っている。  このまま戦闘が長引けば、ここら一帯は硫黄島になるんじゃないか。  
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