41. チートな能力が欲しい 

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「二人じゃないと駄目って意味分かんないんだけど、俺だっていざとなれば!?」 「いや、残念ながらそれは無理や、メタモルフォーゼには二人の力が必要だ」 「メタモルフォーゼ?」  メタモルフォーゼってどんな意味だっけ?  確か変身とか、そんな意味合いが有ったような。      !? 「えっ? ちょっと待って刻宗、俺って変身するの?」 「ん? ああ、そうやで。って力を使ってな異世界から来た選ばれた人間は、運命のパートナーと融合して最強の力を得ることが出来るんや、もうおるにはおるんやけどな。まだ相手の準備が出来て……どうやらそうでもなさそうやな」 「えっ!?」  俺は刻宗の急な刀の重みで勝手に身体が有る方向へ向いた。するとそこには美しも勇ましい竜の鱗を纏う女の子が立っていた。 「エルジュ……なんだよな?」 「そうよ、何?」 「いや……なんていうか……」  腕と脚にキラキラと輝く鱗がドラゴン感を増した感じはするのに、なんていうか、また大人びていて、しかもドレスを纏ったお姫様のように見える。まあ、元々彼女は竜族のお姫様なんだろうけど。 「ふんっ、言わなくても分かるわよ。変身に失敗したって言いたいんでしょ?」 「いや、そういうわけじゃ……」 「竜鬼人になろうとしたのに失敗したのよ」  失敗したのか?  俺にはちゃんと彼女は竜姫人になれている気がするけど?  でも、彼女が失敗っつてんだから、失敗なんだろう。  機嫌を損ねないように、言葉をえらばなきゃだな。 「いや、俺はそれはそれで綺麗で良いと思うけどエルジュ」 「そっ、そう。まっ、守がそういうなら、こっ、この姿もありなのかもね」 「そっ、それよりお待たせ。これで赤鬼のデカブツをギッタンギッタンに吊るし上げることができるわ」  彼女は少し頬を赤らめ、誤魔化すようにそう叫ぶと赤鬼の方へ飛び出して行った。  どんな姿を彼女は求めて居たのかは知らないが、俺の瞳には間違いなく竜姫人(りゅうきじん)が立っていた。
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