42. 竜姫人 VS 赤鬼

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「わわわわっ、高い高い高い」  レッドドラゴン翼を授けるってか。 「高いって当たり前でしょ」 「いや、ここまで高く飛び上がらなくても、もう敵は遥か下なんだけど」 「大丈夫よ、まだこれでもセシルの結界の中よ」 「いやそうだとしてもこのまま落下したら、幾らなんでもやばく……って、アレ?」 「なによ?」 「いや、なんで空中に浮かんだままなのかって」 「はあっ? 飛んでるんだから当たり前でしょ、あんたバカ」  はっ、飛んでる?  マジで飛んでるのかよ、エル……ジュっていつの間に翼が…… 「どう、変身に失敗してもちゃんと飛べるのよ」  いや、彼女のは失敗って言ってるけど、全然失敗じゃないのでは。 「さて、新しく身についてこの力を試してみようかしら。全力で行くと地面ごと吹き飛んで皆を巻き込みそうだから、最初は試しに10パーセントの力でためしてみるわ」  そういうと彼女は右腕を斜め前へ突き出すと、詠唱を始めた。 「スゲー片手だけで魔法放てんだ」 「あんたねーほんっとバカ。いつも魔法は片手しか使ってないわよ。今回は魔力拡張のロッド無しってところが唯一の違いよ」 「ロッド? エルジュが使ってるの見た事なんだけど? だいたいお前戦闘時はいっつも拳じゃん」 「それはねーー……あんたが私にエッチなことをしたから、制裁のためにあんたの頭を叩いていたら折れちゃったのよ。だから、拳使ってるの」 「いひぃ!? ちょっ、エルジュ。魔法を向ける相手違う」 「気が変わったの。先ずはあんたに私の最新の力を試してあげるわ。行くわよ」 「あひぃいいいいいいい」  ━━ドラゴニアショット!? 「あひぃ、あひぃ、あひぃいいいい」 やべっ、やべっ死ぬ。いや死なないにしても多分瀕死の重傷コースだよ。これで10パーセントってとんでもない魔力だ。  ズガ―――――――――――――――――ン  死んだ俺。死にました。  また三途の川に行くのかな。
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