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「わわわわっ、高い高い高い」
レッドドラゴン翼を授けるってか。
「高いって当たり前でしょ」
「いや、ここまで高く飛び上がらなくても、もう敵は遥か下なんだけど」
「大丈夫よ、まだこれでもセシルの結界の中よ」
「いやそうだとしてもこのまま落下したら、幾らなんでもやばく……って、アレ?」
「なによ?」
「いや、なんで空中に浮かんだままなのかって」
「はあっ? 飛んでるんだから当たり前でしょ、あんたバカ」
はっ、飛んでる?
マジで飛んでるのかよ、エル……ジュっていつの間に翼が……
「どう、変身に失敗してもちゃんと飛べるのよ」
いや、彼女のは失敗って言ってるけど、全然失敗じゃないのでは。
「さて、新しく身についてこの力を試してみようかしら。全力で行くと地面ごと吹き飛んで皆を巻き込みそうだから、最初は試しに10パーセントの力でためしてみるわ」
そういうと彼女は右腕を斜め前へ突き出すと、詠唱を始めた。
「スゲー片手だけで魔法放てんだ」
「あんたねーほんっとバカ。いつも魔法は片手しか使ってないわよ。今回は魔力拡張のロッド無しってところが唯一の違いよ」
「ロッド? エルジュが使ってるの見た事なんだけど? だいたいお前戦闘時はいっつも拳じゃん」
「それはねーー……あんたが私にエッチなことをしたから、制裁のためにあんたの頭を叩いていたら折れちゃったのよ。だから、拳使ってるの」
「いひぃ!? ちょっ、エルジュ。魔法を向ける相手違う」
「気が変わったの。先ずはあんたに私の最新の力を試してあげるわ。行くわよ」
「あひぃいいいいいいい」
━━ドラゴニアショット!?
「あひぃ、あひぃ、あひぃいいいい」
やべっ、やべっ死ぬ。いや死なないにしても多分瀕死の重傷コースだよ。これで10パーセントってとんでもない魔力だ。
ズガ―――――――――――――――――ン
死んだ俺。死にました。
また三途の川に行くのかな。
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