42. 竜姫人 VS 赤鬼

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「って、あれ? 俺無傷だ」 「なんてね。仲間のあんたに向けるわけないじゃない。やっぱ馬鹿でしょあんた、それより効果あったみたいね」  シュタッ  うわっ、赤鬼の身体半分が無い。ドラゴニアショット、どんだけの威力だよ。ショットじゃないでしょ、バズーカとかトマホークとかいずれも砲台クラスだと思うのですが。  漫画なら、ここで超再生とか言って回復するんだろうな。でも、多分そうはならないだろう。俺はこの世界に来て、色んなモンスターと戦闘を経験してきた。っていってもまだ半年も満たないけどな。  だが、この世界の生物で共通して言えることがある。  それは、半身になった生き物が復活する事は無い。  この赤鬼を倒せば、残るは黄色の鬼だけだ。  あの千代子さんとモナなら、あの鬼程度なら問題ないだろう。  でも、多勢に無勢じゃないが、多いに越したことはない。  もうグマグマもふらふらだし、加勢にしに行こう。 「何処に行くの守?」 「えっ、千代子さん達の加勢に」 「はっ? 加勢? 戦闘の途中に何言ってるのよ」 「いや、だってもうグマグマとの戦いは終わっただろ」 「グマグマ? ああ、赤鬼のことね。何言ってるの守、まだよ。この程度で奴が死ぬわけないじゃない」 「いや、でも半……身じゃない……」  どういうことだ。  さっきエルジュの業炎で、身体の半分がバラバラに飛散したはず。  なのに、なんでまだ右腕が生えてるんだ。 「漫画かよ……」 「はっ、漫画? ああ、セシルが読んでる奴ね。って、今は戦闘中よ関係ないじゃない」 「いや、関係なくねーよ。コイツまるで俺が知ってる漫画みてーに、瀕死の重傷だったはずなのに再生する敵にそっくりだ。でもなんで……回復魔法を使った形跡もないのに?」 「それはコイツの属性がマグマだからよ。さっきも言ったけど、コイツは地に足を着けている限り、大地から永久に恩恵を受けるのよ」  マジか、敵側でチートって、そんなのありかよ。  普通チートって言ったら、主人公のこの俺の特権じゃないの?  いや、異世界に来たからって俺が主人公かどうかは知らんけど。  それにしてもあんなに大ダメージを与えたにも関わらず復活するだなんて、いったいどうやったらコイツを倒すことが出来るんだ。  こんな想定外な敵、流石にエルジュも相当なショックを受けているに違いない。 「エルジュ?」 「ん、なに?」 「いや、どうしてそんなに頬が緩んでるんだ?」 「えっ、だってコイツの攻略法が分かったからに決まってるじゃない」 「攻略法?」 「そっ、攻略法」
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