7.つながる想い

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「あんたの元カノがムカつくからってだけで、ホントいい迷惑だったよ」  私たち三人が顔を見合わせる。  確かに迷惑だったろうが、そもそもなぜ宇梶さんがきらりに協力したのか。 「意味がわからないんだけど」 「俺の言葉の意味の前に、あんたの嫁が元カノに何したかはわかってんの?」 「……」 「嫁に首輪でも着けとけよ」  はぁ~、と深いため息は宇梶さん。 「とにかく、俺はもう関わらないから。嫁にそう言っといて」 「……」 「つーか、あんたよくあんな女と結婚すんね。デキたんだっけ? ちゃんと確認したのかよ」 「……は?」  私たちまで、思わず「は?」と声が出そうになった。 「ま、俺にはカンケーないけどさ」  カツと踵が床を叩く音。 「飲んでたぞ、酒。一口レベルじゃなく、普通に何杯も」 「……!」  平井さんが本当に、本当に目を丸くした。 「お前はそれを止めなかったのか?」  低い声と、聞こえるはずがないのだが息を呑む音が聞こえた気がして、見なくても宇梶さんと直が驚いたのが空気でわかった。  皇丞だ。  気づけば十五分を過ぎている。私を迎えに来たのかもしれない。 「妊婦が酒を飲むのを、お前は止めなかったのか? 代わりに企画書を書いてやるような仲なんだろう?」 「……やめてくださいよ」  直に対してバカにするような口調だったのが、心底嫌がっているような、苛立っているような呟きになる。 「冗談じゃない」  平井さんが少し身を屈めて、彼女の足元にしゃがむ私に「ワケありみたいね」と耳打ちした。  以前、平井さんが見たのは腕を組んで歩く二人。じゃあ、今は?
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