一石を投じる

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一石を投じる

 ※これは日本によく似た国で起きたお伽噺。  その国は、古来より稲作を行い、お米を食べて生き抜いてきた。  そして現代。  色とりどりの文化が花開き、多種多様な考えが認められるようになっていた。  一石を投じたのはマスコミだった。 「我が国は、昔からお米を作り、ごはんを食べてきました。ところが今の総理大臣はとんでもないことに小麦から作られたパンを食べている。食糧自給率が低下していて、円安で輸入小麦の価格が高騰しているこの時期にです。これは非常によくないことです!」  テレビのバラエティーニュース番組では、コメンテーターがさも自分の意見こそが正義だとばかりに主張しており、その隣では、最近よく目にするようになった若手女優と新進気鋭の若手お笑い芸人が真剣な顔で相槌を打っていた。
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