始まり1

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始まり1

宗次がセッティングした食事会の日。今日やっと綾乃と会えると思うと 朝から興奮している。 綾乃をすぐにどうこうするのではなく、ゆっくりとこちら側に誘い出し 綾乃から扉を開けさせるようにする計画だ。 綾乃と友人になり、恋人になり・・・。 綾乃の親友の田代美優にも気に入られないといけないな。 仕事をさっさと済ませ、宗次と共に食事会の場所にタクシーで移動する。 お洒落なイタリアンレストランの個室に案内される。 そこにはすでに女性が2人座っていた。 「遠藤さん」 「美優さん。お待たせしてしまいましたか?」 「いえ。早くついてしまっただけです。」 宗次と田代美優が言葉を交わす。その隣に俺の綾乃が座っていた。 凜とした表情で姿勢よく座っている綾乃をみて喉がなる。 「司さ・・・司さん。こちらは田代美優さんです。 美優さん、こちらは私の友人の連城 司さんです。」 「初めまして。連城です。」 「初めまして。田代美優です。彼女は私の親友の佐上綾乃さんです。」 「初めまして。佐上綾乃です。」 綾乃の声。 初めて会った時はほんの少しだけしか聞けなかったが、声質もいい。 「綾乃。こちらが前にお話ししていた遠藤宗次さん」 「初めまして。遠藤です。美優さんから佐上さんのお話は聞いています」 「美憂、何を遠藤さんにいったの?」 「変なことは言ってないよ。」 ちょっとした表情もすべてに興奮してしまう。 自己紹介を済ませ4人で食事を始める。 田代美優の宗次を見る目はとても甘い。宗次に惚れているに違いない。 宗次はそれを分かっていて対応している。 食事を始めて2時間ほどして、次の店に行くことになった。 2次会の場所はあのバーだ。 宗次は田代美優の耳元で何かを囁いていて、それを聞いた田代美優は頬を 赤く染めていた。 それから田代美優は綾乃の元にいき何かを伝えると、綾乃は動揺していた。 「司様、私と美優さんはVIPルームに移動してきます。そのまま彼女を 送っていきますのであとはお2人でお過ごしください。」 宗次は田代美優の肩を抱き、VIPルームへ移動した。 取り残された俺と綾乃。綾乃は不安そうな顔をしている。 「綾乃さん?と呼んでもいいかな?」 「はい。」 「よかったら、僕と飲みませんか?」 「あの・・・私・・」 「僕みたいな男は嫌ですか?」 「そんなことは・・連城さん素敵すぎて・・私なんかと一緒にいるのは・・」 控えめなところもいい。素敵と思っているということは先に進みやすい。 「僕は綾乃さんと一緒に過ごしたいのですが・・・ダメですか?」 「ダメじゃないです」 そういって俯いた。このまま連れ去りたい気持ちをぐっとこらえて綾乃の 腰を抱きカウンター席までエスコートする。 飲んでいるうちにすこしずつ気を許してきているのを感じる。 「以前、ここで綾乃さんとお会いしたことがあるんですよ。といっても 僕と綾乃さんがすれ違いに様にぶつかってしまって、すみませんと声を掛けた程度だけどね」 「え?そうなんですね。気が付いてなくてすみません。」 「いえ。一言二言交わした程度だから忘れていて当たり前だよ」 30分ほどして店がにぎわいだした。もっと綾乃と話がしたいので 綾乃VIPルームに誘う。少し戸惑っていたが、宗次と田代美優も VIPルームにいる事もありOKしてくれた。 VIPルームはソファーとテーブルがあり、窓からは店内が見渡せる。 向こうからは見えないようになっている。 音も少し遮断されて静かに会話ができるようになった。 「美憂が遠藤さんに恋をしていて、今日は私はつきそいで来たんです」 「綾乃さんはお付き合いされている人はいないのですか?」 「・・・・・少し前に振られちゃいました。」 「綾乃さんのような素敵な方を振るなんてバカな男ですね」 「そんなことは・・」 綾乃のテンションが下がった。 俺は綾乃の手をそっと握る。綾乃の体がピクっと反応した。 「もう恋愛はしたくないの?」 「そんなことは・・ないですけど・・・」 「じゃあ。僕と恋愛してみませんか?」 綾乃のが戸惑った顔で俺を見ている。 「連城さんと私は・・釣り合っていません。」 綾乃は自分が分かっていない。綾乃はとてもきれいな顔立ちをしている。 白くて長い脚も魅力的だから短いスカートを履かせてみたい。 長くて艶のあるまっすぐな黒髪も乱れさせてみたい。 「釣り合いって誰が決めるの?僕は綾乃さんと一緒にいたいんだけど。 綾乃さんは僕とは一緒にいたくない?」 「今日、初めて会ったばかりですし・・」 「あなたに僕を知ってもらえたらいいですか?」 俺の押しに綾乃が揺らいでいる。綾乃は押しに弱いそれがM女。 綾乃と連絡先を交換する。綾乃の中に俺という存在はインプットされたはずだ。 綾乃は緊張しているのか酒が進んでいる。 ふと2人の会話が途切れた時に、隣から話し声が聞こえてきた。 『宗次さん・・あ・・もっと・・』 話し声ではなく、田代美優の喘ぎ声だった。 宗次はあの女を抱いているのか。初の女の味はどうだったか後で聞いてやろう。 綾乃はまだ気が付いていない。これはいい機会だ。2人の喘ぎ声を聞き綾乃が どういう反応を示すか。 俺は宗次にメッセージを送る。【もっと激しく抱け。声を聞かせろ。】 すると隣の声が大きくなる。 『美憂。もっと俺を欲しがってみて』 『あん・・・や・・・イっちゃう』 綾乃は気が付いたみたいだ。顔を赤くして下を向く。 「綾乃さんどうしたの?気分悪くなった?」 綾乃の体調を心配するように綾乃の体に触れると、綾乃の体が熱くなっている。 「綾乃さん?」 綾乃は急に立ち上がった。 「私、帰ります。」 バックを持ち一歩踏み出そうとすると酔っていて足がふらつき倒れそうに なった。 俺はすぐに綾乃を抱きしめる。 綾乃の顎を持ち俺の方に顔を向けると綾乃の目は潤んでいて俺を興奮させた。 俺は綾乃の唇を奪う。綾乃は俺の胸を押しのけようとしたが、息継ぎの瞬間に 綾乃の舌を捕まえて濃厚なキスをしてやると綾乃が応えてきた。 そのまま激しいキスをしているうちに綾乃の体は崩れおちそのまま眠ってしまっていた。 綾乃の家は知らない事になっているので、俺のマンションに連れて帰ることに した。 俺の領域にこんなに早く入れられるなんて嬉しい限りだ。 だがまだだ。ゆっくりと俺を信用させて、俺に夢中にさせてから 綾乃を俺のM女にしていくんだ。
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