オタクな私、異世界へ

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オタクな私、異世界へ

 ハローこんにちは。私はアラサーのオタク女。  昨日も仕事に疲れ、へとへとになりながら寝て起きたらあらヤダびっくりなんか暗めなお部屋。  夢の中かな?なんて思ったのも束の間、後ろからぐいと髪の毛を引っ張られたかと思うと突然頬を平手打ち。痛い。 「─────ッ!─────!!!」 「……────ッ!!!!」  どうやら部屋内に何人かいるようで、私の方を見ながら叫んでいる。何語ですかね聞いたことないです。  もう何が何だかわからないまま、寝起きの頭をフル回転させて今の状況を確認しする事にした。  まず私は自室で寝ていた。今も昨日着た寝巻のままだ。  そしてこの部屋どうやら何かの儀式をしていたみたい。暗い部屋をゆらゆらと揺れる蝋燭が辛うじて見えるようにしている。そして魔法陣らしきものが私の真下に書いてある。あれですか、もしかして私召喚された系ですかね?なーんて!……マジ?  どうすることも出来ないまま、はたかれた頬をおさえつつ私を睨んでいる人たちを見上げる。すると気に食わないのかまた手を上げて振り下ろそうとしてくる。 「(流石に痛いの二度目は勘弁……ッ!)」  くる、と咄嗟に顔を腕でかばおうとするといくら待てどもあの平手打ちが来ない。恐る恐る腕の隙間から覗くといかにも「王子やで!」みたいな人が止めてくれたようだ。何言ってるかは分からないけどね。  王子っぽい人はくるりと私の方を向き、腕を掴み無理矢理立ち上がらせる。この人も乱暴だなぁとこの雰囲気の中諦めモードに入っている私はもう無反応。  そしてこのイケメン自分の身体に抱き寄せたかと思うとぶつぶつと何かを唱え、目の前が真っ白に。 「……かえりたい」  非現実的なものを常日頃摂取しているオタクですが、自分自身になると話は別。頭の中にはもうこの五文字しかなかった。
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