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「ささ、おばあちゃんはみなさんにお茶の準備を。あ、みなさん玄米茶でいいですか? 美春のおすすめなんです」
てきぱき指示を飛ばす美春は、その顔つきも口調も亡くなった母親の芽衣さんに似ている。
もう亡くなって5年になるが、明るい元気な人だった。
なんでもそつなくこなす反面、おばさんなどと呼ぼうものなら、ぷーっとふくれて返事もしてくれなくなる、かわいらしい人でもあった。
「できれば茶菓子もお願いします。飲めるか飲めないかなんて関係ありません。ここは気持ちが大切なんですから!」
せめて目でお菓子を楽しみたいということなのだろう。
食べれもしないお菓子を仏壇や墓にお供えするのと同じようなものかもしれない、俺はそう考えながら聞いていた。
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