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懐かしくも変わらない声に少し安堵しながら、俺は美春が近づいてくるのを待った。
ほんのわずかな時間だったはずなのに、ひどく長く感じたのを覚えている。
「はいはーい。みなさん下がってくーださーい」
美春の明るすぎる声に俺は懐かしさを覚える。
ようやく見えてきた美春は制服姿で旗を振り振りしている。
3年間同じクラスになることもなかったので、声を聞くだけで妙な気分だ。
あの時、あんなに強く違うと言わなければ、もっとそばにいれただろうか?
俺は過去の自分を恨めしく思いながら、もしもについて考えていた。
美春の何事もなかったかのような様子に、やはり悩んでいたのは自分だけだったのかと悲しくなった。
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