初めてのお泊まり

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一日目の夏期講習は、午前中だけで終了した。 美紅の補習授業も午前中で終わると聞いていたので、彼女を昼食に誘おうかな、と考えていると、 「よっ! 市川、おつー」 「右京先輩、こんにちはー」 美紅との待ち合わせ場所である駅前で、美紅と一緒にいる村田と天野カップルを見つけてしまった。 この二人も制服姿なのと、普段の二人の成績の悪さから察するに、 「お前らも補習組か」 その答えを導き出すのはあまりにも容易すぎた。 「お前は成績いいのに塾行ってんのかー。ガリ勉だねぇ」 「……褒めてるんだよな?」 右京が村田をじろりと睨み、 「まぁまぁ、先輩。お腹空いてるとカリカリしやすいっていうんで、皆でそこのハンバーガーでも食べましょうよ」 天野が二人の間に割り込んで、すぐ近くにある大手の某有名ファーストフード店を指差した。 もう少しオシャレなカフェにでも美紅を誘おうと思っていた右京は、すぐに彼女の方を振り返り、 「私、あのお店のビッグバーガー大好き!」 笑顔でそんなことを言われ、驚きで目を丸くした。 「へぇ。間宮さん、あんな大きいの一人で食べ切れるんだ?」 村田も驚いたようで美紅にそう訊ねて、 「はい! しかもちゃんとポテトとドリンクのセットで食べます!」 美紅は相当にお腹が空いているのか、キラキラした目を村田に向けて元気良く答えた。
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