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カーン カーン カーン カーン
「結菜、ほんとキレイ」
「おめでとう。幸せになってね」
「奏太、いいぞ!」
参列者からライスシャワーを浴びる二人。
少し離れたところで、僕は祝福する。
木村がやってきた。
「余裕あるな」
「え?」
「あいつら結局別れることがなかったな」
「ああ」
「少しは悔しい顔をしてるかと思ったよ」
「そうか?」
「吹っ切れたのか」
「まあね」
「それとも、けりを付けるようなことでもあった?」
「んー、内緒」
「何があったか、後で教えろよ」
「ま、いつかね」
純白のウエディングドレス姿の結菜が近づいて来た時、僕を見つけて、立ち止まった。
飛びっきりの美しい笑顔を見せながら、僕に手を振っている。
僕もなるべくいい笑顔で手を振り返す。
終わりと始まりが交錯する。
こんにちは お義姉さん
さよなら 結菜
さよなら 僕の青
<了>
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