4.

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   僕はすぐに非日常に引き戻された。  シン・ウイルスのせいで、オンライン授業となったからだ。慣れるのに必死で、失恋の痛手に浸っていられない。  木村から久しぶりに電話があった。 「もしもし」 「お、洋太。元気にしてるか?」 「どうにか元気だ」 「俺たち運が悪いよな。せっかくの青春時代がさ」 「ほんとだよ」 「なんというか、思ったより元気そうで良かった」 「思ったより? まあ、ウイルスにはやられてないよ」 「ん、いや、ね、聞いちゃったからさ、奏太のこと」 「あ、あれか」 「がっかりしてるんじゃないか?」 「少しはね」 「おまえも告白したのか?」  木村はいつも核心を突いてくる。こいつには嘘がつけない。 「まあな」 「それは辛かったな。やっぱり、そうだと思ったよ。昔からそうなると思ってたから」 「そういえば、昔そんなこと言ってたな」  中学の時、木村に言われたことを思い出した。 「俺の彼女の友達紹介しよっか?今はちょっと御時世が悪いから、落ち着いたら」 「うーん、考えとくよ」 「まあ、無理しないでいつでも言ってくれよ」 「わかった。気遣いありがとう」 「どういたしまして」 「じゃあな」 「じゃあ」  僕は思い出した、木村のあのセリフ。   「おまえら、将来、あいつの取り合いになったりして」  妙に心に引っかかっていた。  やっぱりあいつは鋭い。  あいついつもズケズケ言ってくるけど、それがかえって内に()もっている僕を解放してくれてるようで、重かった気分が少し楽になった。
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