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翌日、僕たちは行きつけの雑木林で、早速いつもの虫探しを始めた。
石をひっくり返すと、石の下に隠れていた虫たちがウジャウジャ動き出す。
名前も知らない虫たちやミミズみたいなのが蠢いている。
これが僕らの洗礼だ。
「わ~」
結菜は気味悪がったが、目を背けなかった。
パス。
池と芝生のある近所の公園もお気に入りの場所だ。この季節はトンボの群れがやってくるから、立てた人差し指にとまったトンボを、もう片方の手の指をぐるぐる回して捕まえられるか、競い合う。
結菜はお転婆な少女に変わった。いや、元々お転婆だったのだろうか。
スカートよりパンツを好んで走り周り、色白だった顔も日に焼けて、別人のようだ。
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