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そういえば、昔、結菜が言ってくれたことを思い出した。
「洋太はおっとり、だね」
そうか。結菜がせっかく言ってくれたのに、僕はわかってなかった。
おっとり 純粋 天然 癒やし…
僕についてよく言われる表現。
相談相手って、僕にぴったりだ。
ガツガツは似合わない。
さてと、僕たちは今、どういう関係なんだろう。
まずは確認してみよう。
電話に出てくれますように…。なんだかめっきり自信がなくなっている。
「もしもし」
「あ、結菜。今大丈夫?」
「うん、どうしたの?」
「あのさ、僕たちなんだけど、今も友達?」
「もちろんよ。大切な友達だし、幼なじみ」
大切な?ドキッ。
「そっかあ、大切なかあ…、良かった」
「そう?」
「それなら、何かあったら、僕に相談してよ。例えば、そうだなあ…奏太への不満とか愚痴とか…」
「それは大丈夫。奏太、すごく優しくしてくれるから」
楽しいだろうなあ、お似合いだよ。
「そうかあ、そうだよね…、なら、まあ、とにかくそういうことで、なんとなくわかってくれればいいから、とにかく何でもいいから相談してよ。じゃあ」
「ありがとう、じゃあね」
どうにか首の皮一枚繋がった気分。これで少し安心した。
僕は結菜の大切な友達に徹しよう。そして、困った時の相談相手になるんだ。
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