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後日、奏太の浮気は結菜の思い込みだったということで、今は仲良くしている、と結菜から連絡があった。
あの時、自分を少し推せば良かったのだろうか。
でもそれは違う、彼女の判断に任せるのが一番大切だ、と思うことにしている。
テーブルの上にまだリンゴが2個ある。
皮をむいて、一口かじる。
そして、あの日のことをありありと思い出す。
もし奏太が浮気していていたら、僕が付き合えたのか?
いや、それはない。奏太の性格からして、結菜を失うようなヘマは決してしないからだ。
今になって思う。
結菜は、奏太の浮気疑惑を口実にして、僕に会いに来たのではないかと。
本当に迷っていたんだ、あいつと僕の狭間で。それがたとえ一時だとしても…
そして、やはり収まるところに収まった…
あの日以来、僕らは会っていない。
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