どうして?

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どうして?

俺が話しかけても反応が薄い。何なら返事もしない。 何で?あの宅飲みの時の事?まさか嫌われた? でもあの時普通だったじゃん。 俺の頭の中で様々な事が思い返され、思考がぐるぐると回る。 嫌がられているのか確認する為に、俺は夏目を見つけると、直ぐに傍に近付いた。 なのに、夏目からは寄ってこなかった。 え? やっぱ、嫌われたか?いや、まだ分からない。だから、飲み会を計画して夏目を誘って様子を見ようと思った。でも… 「あ、いや… 」 「ん?何?つれないじゃん」 え?来ねぇの? 「ああ、アレ?あの事、気にしてる?てか、気分悪くした?」 面白くなくて嫌味っぽく訊く。 「いや、もう本腰入れないといけない。やめておく」 「就活?」 「ああ… 」 「夏目は真面目だからな、ちゃんとしてんだな」 断れた、夏目に誘いを断れた。 夏目は真面目だから仕方ないけど、少し心が折れたし、就活、自分も何とかしなきゃと思うしで、収拾がつかなくなった気持ちで天を仰ぐ。 夏目の視線に気付いて振り向いた。 「ん?」 サッと目線を逸らした夏目の顔が、少し赤くなっている様に見えた。 なんだ?今の夏目、首を傾げて会話を続けたが、 「あの、俺、ちょっと急ぐから、いいかな?」 夏目が急にそう言って先を急ごうとしたから普通に 「え?じゃあ俺も急ぐよ」 急いでたのか、悪い事をしたと思って軽く走り出し、 「何?これから何処行くんだよ」 同じく小走りをしながら並んで歩く夏目に向いて、普通に訊いた。 「…… 何処でもいいだろう!」 え? 夏目にそんな言い方をされた事など今までになくて、顔も怒っている。 「悪ぃ、気ぃ悪くした?」 そんな風に訊くしかなくて、どうしていいか分からなくなった俺は夏目の顔をジッと見た。 「いや、ごめん… 」 怒鳴ってしまった事を後悔しているような夏目の顔が切なすぎて、何だか酷く気まずくて、この場にいるのが辛い。 仕方ない、俺は「帰る、またな」と何とか笑顔を絞り出し夏目とは反対の方向に向いて、走り出した。 何やってんだよ、俺。 却って夏目を不愉快にさせた。あの夜から様子が変な夏目の事を探ろうとしたのに、何やってんだよ。 立ち止まって唇を噛んだ。
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