家族への告知

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藤「ただいまー」 父「おかえり。無事にポリープ切除したかー?」 藤「それがさー。カメラ、奥までいけなかったんだよねぇ」 父「ウ◎P詰まってたのか!?」 藤「癌が邪魔して、カメラが奥まで入るのを阻止してたんだわ」 父「へぇ。ガンコなヤツだな」 藤「癌だけにな」 父「………………は?」 そこで父 藤白が大腸癌であることにようやく気づく 父「ど、どうするんだ!?」 藤「市民病院に紹介状書いてもらったー。でも、明日から出張だし。9月7日に予約取ってもらった」 父「9月7日って……今日は……」 藤「8月29日だね」 父「……そんなに先でいいの?」 藤「お医者さんが、いつが都合いいの?と聞いてくれて予約とったから、いいんでない?」 父「あ、そ、そう?」 母は肺癌の腺癌で、検査当日に即転院しただけに、父、動揺 母の場合は検査したときには既に末期だったので、緊急性があったのだと思われ…… 藤白の場合は、余裕のある紹介だったので、母のときのことを思い返し、個人的に「あ、これ。結構軽いんちゃうん??」と楽観視してたりする な の で 藤「食べ物もお酒も注意されなかったし、普通通りに生活してりゃいいんだから、問題ないよ!」 父「でもなぁ……」 藤「あ、紹介状と共に大腸カメラデータも貰ったから見る?」 父「いや、それは見たくない」 藤「まあ、大腸なら悪いところ切れば問題ないし。しかも、横行結腸から右側にあったら、右側全部ズルリと切除っていう話聞いてたから、下行結腸でよかったと」 父「そういうもんか?」 藤「そういうもんさ」 無自覚無症状なので あまり現実味を帯びていないせいか ケロリと話す藤白 しかし、帰宅した姉は藤白が癌であることを聞き、かなりショックを受けた模様 姉「あらゆるツテを使って、いい治療を受けさせる!!」 なんとも頼もしい発言が飛び出した が 藤「それより、入院は個室がいい!!個室になれるよう手を回して!」 姉「……それは……コロナ禍だし、運を天に任せるしかない」 藤「がーん!!」 治療云々よりも先に、入院中の快適さを求める藤白に、父と姉の冷めた視線が突き刺さったのは言うまでもない ※だが、流石は藤白の家族  藤白がお酒を飲もうが、肉を食おうが 「食べて飲めれることが大事!!」  と、むしろ勧めてくれる  でも、体力って大事だし  好きなもの食べて飲んで  ストレス解消してれば  元気モリモリ!!  ほんと、食って大事!←( ̄ー ̄)ニヤリ
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