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医「そこで、ご相談なのですが……」
手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を用いての手術が提案される。
このダ・ヴィンチを用いた手術は、大きな切開をする必要がない。
内視鏡カメラや鉗子を差し込む程度の小さな穴を数カ所開けて手術が行われるので、体に負担が少なく、回復も早いだけでなく、手術自体の安全性も高いという。
実は、既にダ・ヴィンチでの手術は、藤白も姉も検討していた
けれど、直腸がんは保険適用だが、結腸がんは、保険適用ではなかった
なので、費用が気になっていたのだが……
なんと!!
令和4年4月から保険適用になったとのこと
で
す
が
国の認定医療機関であり、結腸がんでのダ・ヴィンチ手術を10症例持っている医療機関でなければ、保険適用にならないらしく
この時点で、認定医療機関ではあるものの
結腸がんでのダ・ヴィンチ手術はまだ、10症例に満たないとのこと
説明を受け、姉と目を合わせる藤白
姉の目が「ダ・ヴィンチやっちゃいなよ!」と訴えている
藤白は頷いた
先進医療保険に加入しているので、問題ないと告げようとした時、医師からの提案が……
医「結腸ガンでのダ・ヴィンチ手術の症例は少なくても、婦人科系や直腸なんかは、もう何年もやってますし。正直言って、早く保険適用認定貰うために、僕たちも結腸ガンの症例数が欲しいんですよね」
藤「は、はぁ」
医「それに、普通の腹腔鏡手術や開腹手術よりも、ダ・ヴィンチでの手術のほうが、やりやすいんですよ」
藤「そうなんですか」
医「快復もダ・ヴィンチのほうが早いですし、患者さんにとってもメリットが大きいんで……なので、うちの病院でもある程度費用負担して、普通の腹腔鏡手術くらいの費用で出来るようにします」
藤「え? は? マジですか?」
医「はい。上(多分、病院内の上司か何か)に申請します」
という、なんともラッキーな藤白
ダ・ヴィンチでの手術が決定!!
だが、喜ぶ藤白と、姉に医師が水を差す
医「あ、でも。もちろんお腹を開けてみて、あちこち転移してたら開腹に切り替えますので。一応、ダ・ヴィンチの方向でという話ですからねー」
姉「あ……」
藤「はい」
アゲて落とす
医師の容赦ない説明に
気が引き締まりました
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