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俺を体育倉庫なんてムードもへったくれも無い場所でレイプした久我先輩。彼は俺を抱き上げてそこを出た瞬間から、本当に俺を自分のオンナとして扱い始めた。 好きだって言われた訳でもないから恋人と言うには違うし、だけどセフレと言うにはもう少し重い執着を感じてたように思う。久我先輩は自分の手がついた俺を、他の誰かが軽く扱おうとするのを絶対に許さなかったんだ。そういう関係って、何つーの?…よくわかんないね。 とにかく短時間の休み以外には必ず迎えと言う名の拉致要員が寄越されて、その日久我先輩の居る場所に連行される。 別にセックスするんじゃなくても隣にベッタリ侍らされるんだよ。これ、何?男子校ヤンキーの風習?伝統?違うよな? 聞いた事無いんだけど。 いくら女っ気が殆ど無い男子校だからって、みんながみんな男に走る訳ないだろうし…とますます不可解だった。あ、もしかしてアレ?不良ヤンキーは血の気が多いから性欲処理係が必要って事?なんか戦国武将となんかそばで世話してる美少年…あれ、何て言ったっけ?ケショ…コショウ? 何人目かの歴女だったカノジョが織田信長の事を熱く語ってくれた時に聞いたんだけど、覚えてないわ。 癖の無い綺麗な黒髪を後ろに流して、ピアスは左耳に2つ。制服の着崩しはそんなに激しくは無くて、それなのに存在感がある。 久我先輩って人は、とにかくこんな底辺校には似つかわしくない人だった。 見た目もそうだけど、頭の回転が速くて記憶力も良かった。中学迄は有名私立に行ってたって聞いたけど、そこから何がどうなったらこの底辺工業に来んのよって感じだよね。 でもその辺のデリケートな事は本人の前では口にしない方が良いじゃん?何となく。頭の弱い俺にだってそれくらいはわかるんだよ。 そういう、余計な事を聞かないうるさくないところが良かったのか何なのか、やたらと可愛がってはもらえたよ。 なんせ次のトップにも下げ渡されたくらいには。 見た目が小綺麗で、好きな時に足を開いて、でも女じゃないから妊娠の心配も無い。余計な事は言わず聞かず妙な嫉妬もしない、便利なオンナ。 そりゃ重宝されるよな。 1年の時は3年の久我先輩、2年でも3年の久松先輩。そして、3年になったら同級生の有沢に。 俺は高校で3人、オトコが変わった。 歴代3人のトップのオンナ務めたとか、ある意味偉業では?自分でもびっくりだ。 俺の他にもそこそこ見目の良い生徒はいた筈なのに、何で俺ばっかり駆り出されるんだろってマジで不思議だった。 はは、男引き付ける何か出してんのかなァ。 クソ喰らえって感じだけど。 でもさ、助かった部分も大きかったかな。 俺みたいなちょっと顔が良いだけのヒョロい奴、不良だらけのとこでなんか色んな意味で格好の餌食になったかもしれないからさ。 強い奴の庇護下に入れた事でそれを避けられたんだから、結果オーライじゃね? …ま、代わりにケツは殆ど毎日フル稼働だったけど。 でもトップのオンナの俺だったからか、意外とみんな優しかったよ。あの中では綺麗どころ扱いだったからな。陰口叩く奴もいなくはなかったけど手を出してくる命知らずはいなかったから、それなりに平和な高校生活送れた。 それに、そこで男の誑し込み方を覚えたんだ、俺。 んで、その時のスキルが後から活きる事になるんだけどな。 プロ愛人みたいな高校生活を終えて卒業した俺は、進学も就職もせずブラブラしてた。親は当然文句を言ってきたけど、勉強も働くのも嫌だったんだもん。仕方なくね? この頃になると、高校三年間で学校の野郎共から甘やかされて増長してた俺は、だいぶ我儘になっていた。子供の頃から周囲に与えられていた抑圧から解放されたってのかな。 皮肉だよな、親ですら満たしてくれなかった自己肯定感を、中学や高校で出会った異性や不良達が満たしてくれたなんて。まあ、それなりに引き換えたものはあったけどさ。 それにひきかえ、親の癖によくも従兄弟と俺を比べ続けてくれたなと今更ながら恨みがましい気持ちが強くなって、それまでの鬱憤を晴らすような気分で両親に接した。 ダラダラ家に寄生する事で復讐してる気分になってたんだな。文句を言われる度に、 『お前らが俺をこんな風にしたんだろ。』 って言ってたら、親も何となく思い当たる節があるんだろうな。気まずそうな表情で黙るか、語気が弱まる。 流石に高校で俺がどんな生活をしてたのかは言えないけど(笑)、どう見ても悪い連中に囲まれているのを見られた事もあったから、それなりに苦労したと思ってるみたいで強く言えない感じ。 お得意の、『湊君は出来が良いってのになぁ。』も封印されてたけど、前の年に湊が志望大学に合格した時には羨ましがって、俺を見て盛大に溜息吐いた事は忘れない。 せめて私立高校に行かせてくれてたら俺がケツを開発されまくる事もディープスロートを会得する事もなく、Fラン大くらいには入れたかもしれないのにな。あ、頭の悪い俺には金をかけるの無駄なんだからそんな未来はお望みじゃないか。逆に、一流大学とFランでまた親戚一同の中で比較ネタにされたかもしれないもんな。 そんな調子で遅ればせながらの反抗期を迎えていた俺は、卒業後の毎日をダラダラとゲームをしたり小遣いをせびって夜な夜な遊びに出たりしていた。 でも、そんな生活を一年も続けてると飽きてさ。 暇潰しにバイトでもしてみようかと思ったんだけど、何せ出身校がアレじゃん?バイト経験0じゃん?卒業して一年遊んでたじゃん?てな訳で、面接ことごとく落ちて。(笑) そんでも辛うじて受かったコンビニで働き始めた。電車で15分くらいのとこで、繁華街近くの店。周りには飲食店とか飲み屋とか、1本裏道に入ったら風俗街って環境。そんな店の夜勤に入ったら、そりゃそれなりの客が来るんだよな。 初日からホストクラブのスカウトにあったしキャバ嬢やホステスさんに逆ナンもされた。意味深に手を握ってくる酔っ払いのオッサンもいたけど、単に酔ってて女の子と間違えてるっぽかったから笑顔で返してたら、『指名だ!』って叫ばれたのはびっくりしたな。 あれこれ覚える事はあったけど、深夜帯の先輩って長く働いてるベテランさんばっかでさ。教え上手っていうか、俺、意外とやってけるかも?って思い始めた頃。 あの人と再会したんだ。
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