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フランクリンの想い
「さあイワン。一度医療室で検査して貰おうか。」
それまで何も言わず佇んでいたイワンの背をそっと押し、一緒に歩き始めた。
イワンは唯呆然とモーガンに従った。
「レオ、司令室をもう暫くお願いする。君たちもご苦労だったね。フランク、君は確か休養日だったと思うが。君のお陰で事なきを得たよ。ありがとう。もう自分の時間に戻りなさい。君たちは司令室に帰ってくれ。」
モーガンに言われ了解と答え、レオナルドとフィリップの2人は司令室に向った。
「司令官、先生がいないといけないので、私がお供します。宜しいですか?」
フランクリンが首を傾げてモーガンに問うた。
「しかし君は・・・」
フランクリンがモーガンの言葉を遮るように口を開いた。
「どうせ休んでいても何もする事はありませんし。私には少し医療の知識があります。ミシュノフ先生は此処で唯一の医者ですから。毎日忙しくしていると聞いています。私でお役に立てるのなら。」
モーガンは暫しフランクリンの顔を見ていたが、やがて仄かに微笑んで頷いた。
「そうか。それじゃあ、一緒に医療室に行って貰おうか。いいかね?」
「勿論です。」
モーガンとフランクリンは、イワンを挟むようにして医療室に向った。デミトリは、黙って3人を見送った。
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