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その後ガリガリと雑音の入った通信が返ってきた。 「こちらエンタープライズ。ロシア帝国同盟の総攻撃に遭い、我がほうの艦は、ほぼ全滅させられました。インディペンデンス、ホーネット、ビスマルク、そして飛鳥・・・大統領閣下は、お亡くなりになりました。」 エンタープライズの通信士が言葉を詰まらせた。 何てことだ。 コールマンが通信機を取る。 「それらの艦から脱出した、救難艇の救助は進んでいるのか?」 通信士の声に代わり、少し年配の男の声で返答があった。 「私はエンタープライズ艦長、ジェフリー・ウィルソン中将である。ロシアの卑劣な輩どもは、救難艇を攻撃した。何とか助けられた者もいるが、殆ど落とされたよ。」 何ということを・・・ コールマンは、唇を噛み締めた。 「ウィルソン中将、そちらの艦の被害状況を教えてください。救援が必要ですか?」 「いや、何とか自力で基地まで戻ることができるだろう。ありがとう。詳しいことは司令部に戻って報告する。ではコールマン少将、艦隊司令部で会おう。」 そう言ってウィルソンは、通信を切った。 何ということだ。アメリカ連合宇宙艦隊の新鋭艦が、2艦も破壊されるとは。ドイツの艦も日本の艦も・・・・ それより、救難艇を撃墜するなど、言語道断だ。結ばれた協定は、一体どうなった。ロシアは何を考えているんだ。 そして何よりも、大統領が亡くなった。これは大変なことになるだろう。 コールマンは、頭を抱えたい衝動を必死で堪えていた。
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