それぞれの一歩

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レオナルドが驚いたように振り返った。フッと彼の顔が緩む。 あれ? 「やあ、フランク。君こそどうしたんだ?イワンはどうなった?」 フランクリンはニッと笑って答えた。 「イワンは大丈夫ですよ。ここに来る途中、ポーリーとやけに親密に話をしているのを見かけました。結構楽しそうに話してたし。」 「ポーリー?スタンレイか?」 フランクリンは、そうそうと頷いた。 「で、ちょっと休憩をと思いまして。何せ、火星の嵐の中、激走してきたんですから。ちょっとぐらいいいでしょ?」 レオナルドは仄かに笑って頷いた。 「あれは・・・本当に激走だったな。お陰で司令官に何も無かったよ。本当にありがとう。」 フランクリンは、ちょっとだけ声を潜めた。 「貴方も大変ですよね。あの司令官にくっついているんじゃあ。何を仕出かすか分からないし。」 レオナルドが顔を顰めた。 「おいフランク。幾らなんでも、それは言い過ぎだろう。」 「言い過ぎですか?」 フランクリンに見つめられ、口をパクパクする。 「いや・・・まあ・・・」 「ですよね。」 可笑しげに笑うフランクリンの顔を,またしかめっ面で見つめた。 バーバラは2人の会話を聞きながら、ちょっと驚いていた。 副司令官って・・・そんなに怖くない? 「ところで・・・」 レオナルドがバーバラを見る。 「彼女とデートでもしてたのか?私は邪魔なんじゃあ・・・」 フランクリンが大きく首を振った。 「いやいや、バーバラは恋の悩みがあるようで。それを聞いてやろうかと。」 フランクリンの言葉に、バーバラの体が固まった。 エエ?!何?どういうこと? 「バーバラ、まあいいから座れ。」 バーバラは呆然としながらフランクリンの言葉に従った。
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