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それから暫くして突然、ポック…ポック…ポック…ポック…
と何と木魚が一人でに鳴り出した。仕事に集中していた僕は
飛び上がるほど驚いて危うく作業の進捗を全消去する寸前だった。
「あっ…ぶねぇ。突然鳴り出すとか心臓に悪すぎる。
畜生脅かしやがって。電池でも入ってるのか?」
しかしいくら探しても電池が入ってそうな箇所を見つからない。
木魚は未だにポック…ポック…ポック…ポック…となり続けている。
正直言って五月蠅すぎる。人の物の可能性がなかったら間違いなく
投げ捨ててる。結局木魚は僕が大量の仕事を消化し終わった後も
鳴り続けていた。
「一体何時まで鳴ってるんだお前は…」
心配にはなったが、それ以上に疲れていた僕は、木魚を放置して帰宅する
ことにした。明日には持ち主が持って行ってくれるか、
どうにか後始末をつけてくれると信じて。
しかしこの木魚との再会は自分が思っていた数十倍早かった。
アパートの扉を開けたら玄関でお出迎えしてきたのだから。
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