5

8/8

339人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「あ……っ」 すでに反応しきっていて恥ずかしいが、彼の手のひらで操られていくうちに朦朧としていった。 気づけば、すっかり脱がされた衣服が足首にまとわりついている。 「きもちい?」 「ん、すごく……」 不安や躊躇いは、不思議となかった。 彼が手を引いてくれるなら、深いところまで泳いでいけるだろう。 そんな気さえするのだった。 「あ、はぁ……っ」 陣内の息が、鼻の頭にぶつかる。 まだこちらからは触れていないのに、彼のほうが呼吸が荒かった。 唇を塞いで、右手の親指を彼のパンツのホックに引っ掛けると、彼は待ちきれないとばかりに下半身を押し付けてきた。 直に触れた途端、熱いため息が耳たぶにぶつかった。 「……っ」 親指の腹で先端を刺激すると、体を震わせる。 低く唸るのにたまらなく興奮した。 「待って、半田さんうますぎ……」 強弱をつけて刺激を与え続けると、彼もまた、くたくたに煮込まれたようになってしまった。 「陣内君、俺にももっとして……」 陣内は身を委ねてくると、体を擦り寄せてきた。 それから、猫のように半田の耳を舐めてくる。 生暖かい舌が、耳の付け根や裏、中にまで侵入してくる。 息の熱さに、肌の毛穴ひとつひとつがざわめく。 「あ、あ……っ」 体をくねらせると、彼は嬉しそうに、でも余裕がなさそうに言った。 「一緒にいきましょうか」 そこから先は意識が濁り、よくわからなくなった。 彼の息の熱さ、音、自分のものと思しき声が絡まって、快楽に吸い寄せられていった。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

339人が本棚に入れています
本棚に追加