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「あ……っ」
すでに反応しきっていて恥ずかしいが、彼の手のひらで操られていくうちに朦朧としていった。
気づけば、すっかり脱がされた衣服が足首にまとわりついている。
「きもちい?」
「ん、すごく……」
不安や躊躇いは、不思議となかった。
彼が手を引いてくれるなら、深いところまで泳いでいけるだろう。
そんな気さえするのだった。
「あ、はぁ……っ」
陣内の息が、鼻の頭にぶつかる。
まだこちらからは触れていないのに、彼のほうが呼吸が荒かった。
唇を塞いで、右手の親指を彼のパンツのホックに引っ掛けると、彼は待ちきれないとばかりに下半身を押し付けてきた。
直に触れた途端、熱いため息が耳たぶにぶつかった。
「……っ」
親指の腹で先端を刺激すると、体を震わせる。
低く唸るのにたまらなく興奮した。
「待って、半田さんうますぎ……」
強弱をつけて刺激を与え続けると、彼もまた、くたくたに煮込まれたようになってしまった。
「陣内君、俺にももっとして……」
陣内は身を委ねてくると、体を擦り寄せてきた。
それから、猫のように半田の耳を舐めてくる。
生暖かい舌が、耳の付け根や裏、中にまで侵入してくる。
息の熱さに、肌の毛穴ひとつひとつがざわめく。
「あ、あ……っ」
体をくねらせると、彼は嬉しそうに、でも余裕がなさそうに言った。
「一緒にいきましょうか」
そこから先は意識が濁り、よくわからなくなった。
彼の息の熱さ、音、自分のものと思しき声が絡まって、快楽に吸い寄せられていった。
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