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「あ、フォロー外されてる」
寝そべった陣内の鼻筋、やや突き出た頬骨に見惚れていると、彼の喉仏が動いた。
画面を見せられ、自分のスマートフォンも取り出してみる。
「俺もだ」
「腹いせに、先に外してやらぁってことですかね」
それから、ふたりそろって果乃のフォローを外した。
「じゃあ改めて」
ほどなくして、陣内からのフォロー通知が来た。
半田もフォローバックしてから、スマートフォンを枕元に置いた。
「明日休みだからこのまま泊まってっていいですか?」
「いいよ」
彼は頬杖をつき、体をこちらに向けた。
長い前髪が、額に沿ってカーブし、流れていく。
「半田さん、男の人とこうなったことってある?」
「いや、陣内君がはじめて」
「そっかー、はじめて同士だ」
人差し指が伸びてきて、胸に弧を描かれる。いたずらな動きに身をよじると、彼は笑った。
「でもまぁ、案外するっといけましたね」
「するっとって、なんか嫌だなぁ……」
「ははは」
手で頭を支えながら、顔をくしゃくしゃにして笑う。ぼさぼさの前髪の隙間から、目尻の皺が見えた。
「まーでも俺は、初回のときからわりと、半田さんでやらしーこと考えてたけど」
「ほんとに? 清潔っぽいとか、遠回しに色気ないみたいに言ってのに?」
「それは勘違い。清潔っぽいから逆にエロいんですよ」
半田は前髪を指ですいてやりながら、彼の目を見た。
二重の丸い目。眉毛はおそらく整えていないのだろうが、綺麗なアーチ形をしていた。
彼は口角を上げ、気持ちよさそうに愛撫を受けていたが、目が合うと、ふと笑みを封じた。
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