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その夜、蓮は自室のベッドの上に寝転がっていた。
そばに置いていたティッシュを2枚取り出し、勃起した陰茎を包み込む。
そしてゆっくりとしごきだした。
真っ暗にした部屋の中で目を瞑り、夏澄の裸を考える。
長くしなやかな足、小ぶりの胸、色っぽい瞳……そして印象的なそばかす。
マイナスポイントとして捉えられがちな彼女のそばかすも、蓮にとっては一種のフェティッシュとなっている。
そばかすは彼女の象徴だった。
整った顔とスリムな体。
可愛らしく男らしい彼女を崩すいい塩梅として蓮は認識している。
蓮は夏澄の全身、そして顔と思い出し、頭の中で興奮を増加させた。
興奮は陰茎をしごかせ、マスターベーションは溜まった性欲を吐き出す手助けとなる。
もう蓮という男は彼女の虜になっている。
10分もたたずに蓮は射精した。
白い精液がティッシュに包まれる。
握ってみるとほのかに温かかった。
蓮はこの精子がどのようなものか分かっていない。
それでも自分という証を残せる武器として、彼女に跡を残せたという事実には満足している。
今まで恋も性も彼女に抱かなかったというのに、1度体を重ねただけで蓮の頭には彼女の笑顔でいっぱいだった。
蓮はティッシュをゴミ箱に捨てた。
そして目を瞑る……もう眠るのだ。
ズボンと下着を履きなおし、布団をかぶる。
目覚ましはセットした、明日もまた頑張ろう。
無気力に生きてきた男は、明日に期待を寄せている。
明日は月曜日、またあの子に会えるのだから。
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