私のこと好きになったらダメだよ

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「なんだろうこれ」 「なに?」 夏澄はゴミ箱の中を見た。 蓮が手を突っ込んで手に取ろうとするので、急いで止める。 「それ触らないほうがいいよ」 「どうして?」 「え?……あーえっと、汚いでしょ。何か分からないもの触った後に私の体触る気?」 「そういうつもりは……」 「それ触ったらセックスはなしだからね」 「それは嫌だなぁ」 「じゃあ言うこと聞いて」 「うん、聞く」 素直に頷く蓮を見て、夏澄は微笑んだ。 この汚い部屋にも慣れてきたので、じっくりと部屋の中を観察する。 「あ、エッチな本だ」 蓮は畳に置いてあるエロ本を手に取った。 よく見てみると、ほかにも多数のエロ本が置いてある。 「ほんとだね、呆れた……」 夏澄も落ちていた1冊を手に取って中をパラパラとめくり女の裸が写っている写真を見る。 蓮もエロ本の内容に釘付けになっている。 「すごいおっぱいだ……」 「声に出さなくてよろしい」 「でもすごいよこの女の人……片手じゃ持てないよ」 蓮の隣に移動した夏澄は蓮と一緒にエロ本を見る。 写真の外国人は濃い陰毛とたわわな胸を見せつけている。 「ほんとだね、蓮くんもおっぱい大きいほうが好き?」 「俺は小さいほうが好き」 「じゃあこの人より私のほうが好きなんだ」 「うん」 夏澄は蓮の頭をポカリと叩いた。 その暴力の意味が蓮には分からない。 「え?なに?」 「女の子はね、胸の大きさとか気にしてるの。デリカシーのないこと言っちゃダメ」 「ええ?夏澄ちゃんが質問してきたのに」 「そうだね、だからそういう話題を出すべきじゃなかったね」 「難しいね」 「だね」 「なんて言えばよかったの?」 「なんて言えばっていうか……エロ本を手に取って、ちょっとだけ見て、すぐに私に襲い掛かればよかったんだよ」 「あー、そうなの?」 「セックスの前に女の子ほったらかしにしてエロ本を熟読しちゃダメ」 「これから気をつけるよ」 「よろしい」 「じゃあ……しようよ」 蓮は期待と性欲を前面に押し出して夏澄に言った。 夏澄はクスっと笑ってシャツを脱ぎ始める。 「言っておくけど、練習終わってシャワー浴びてないから臭いよ?」 「気にしないよ、そっちのほうがいいかも」 「変態」 「酷いな」 蓮も服と短パンを脱いだ。 互いの下着姿を見つめ合い、性交の前に興奮を高める。 蓮は彼女のブラジャーに触れ、遠慮がちにその中に指を入れる。 ぷっくりと膨らんだ乳を撫でながら、夏澄に思い切りキスをする。 昨日の夜からお預けされた性欲は、今この瞬間発火する。 力強く背中を抱きしめて、目をぎゅっと瞑り彼女の舌を味わった。 2人の唾液は忙しなく交換されて潤っていく。 キスだけでは辛抱たまらない蓮は硬い布団に彼女の体を押し倒す。 荒い吐息を吐きかけながら、彼はまっすぐに夏澄の目を見下ろした。 「興奮してるの?蓮くん」 「うん……興奮してる」 「どうする?挿れる?それともやってほしいことある?」 「……とりあえず挿れたい」 「とりあえず……ね。いいよ」 お許しをもらった蓮は遠慮なく夏澄の脚を持ち広げた。 開帳された夏澄の性器に、火照った自分の性器を当てた。 腰を動かして位置を調整する。 柔らかな女の子の肉を陰茎で撫でて、そして焦るように挿入した。 温かい肉に包まれた蓮の男性器が高揚する。 「はぁ……んっ……」 「ふふ……ん……もうイキそうな顔してる」 「うん……あの……」 「なに……?」 蓮は夏澄の顔に垂れた前髪を優しく手で払った。 夏澄は一瞬たりとも彼から目を離さない。 「どうすれば気持ちよくなってくれる……?」 「え……?」 「今までは俺の好きなようにやってたけど……君のことも考えたい」 「そう……優しいね」 「そんなことないよ」 「でもくっついた状態でそんな話する?」 「ご、ごめん……1回抜くね」 「いいって抜かなくて、あはは。蓮くんったらおかしい」 「……ごめん」 「そうだね、じゃあ……激しくして」 「え?」 「ぐちゃぐちゃになりたいの……だから激しくして。私を物だと思ってやってよ」 「……いいの?」 「……うん、やって」 「分かった」 蓮は最初は静かに腰を振っていたが、ギアを上げるように腰を振るスピードを速める。 自分の体を押し付けるように何度も陰茎を彼女の性器に突っ込んだ。 夏澄はその激しさに痛みを感じたが、性器はどんどん濡れていく。 愛液が出るたびに男性器はスムーズに動いた。 ガンガン腰を打ちつけていると、夏澄の顔が歪んでくる。 眉間に皺を寄せて、唇も震える。 性交の途中、夏澄は快感に抵抗できず大きな喘ぎ声を出してしまった。 すぐに口を押えて声が漏れないようにする。 「ふぅふぅ」と鼻息を漏らし、ぎゅっと彼の体を両脚で挟んだ。 その姿が蓮の性欲を暴走させる、もう彼女の体を頭から足まで貪らなくては気が済まない。 強引に夏澄の手をどかして、深い口づけを彼女にした。 「ダメっ……蓮くん、声漏れちゃうから……んっ!!」 「夏澄ちゃん……すごくかわいい」 「もうダメだって……手をどけて……バレちゃうから……」 「バレたりしないよ……誰もここに来たりしない」 また蓮は彼女の唇を奪った。 舌をねぶりながら腰をさらに早く動かす。 パンパンと生生しい音が響く。 ひときわ大きな喘ぎ声を出した夏澄は吹っ切れたのか喘ぎ声を隠さなくなった。 女性器がきゅっと引き締まる。 夏澄は蓮の体を抱いて、鼻息と喘ぎ声を漏らしながら蓮の男性器を求める。 それから5分後、2人は同時に果てた。 抱き合ったまま息を切らし、汗だくの体を他人の布団で拭く。 蓮は彼女から体を離して、隣に寝転がった。 「はぁはぁ……どうだった?」 「うん……はぁ……よかった」 「もっと……聞かせてほしいな」 「え……?」 「夏澄ちゃんがしたいこと……俺だけ気持ちよかったら不公平だよ」 「だね……じゃあちょっと休憩して、その後また激しくしてよ」 「分かったよ……」 しばらく2人は埃臭い部屋でただ呼吸を重ねていた。 汗ばんだ体を拭く物もないので、汗は垂れ流しになる。 「ねえ……夏澄ちゃん」 「なに?」 「どうして……俺とやるの?」 「またその質問?」 「うん……気になるんだよ」
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