次いつやるか決めた?

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次いつやるか決めた?

日曜日、午前の部活動を終えた蓮は大和に誘われて、宗一と3人で公民館の裏に集まっていた。 ここは屋根があるので陽を凌げる。 海も近いので潮風が涼しい。 「『ベルトガンライバック』で攻撃だ!4900のダメージ!俺の勝ち!」 「ちょっと待って、トラップあるから……」 「勝ったぞぉぉぉお!!!」 「だからトラップがあるって!」 「俺の勝ちだぁ!」 「トラップ発動だって!!」 大和と宗一は公民館のぬれ縁の上でカードゲームをしていた。 大和は攻撃を防がれる前に勝利宣言をして勝ちを譲ろうとしない。 軽く口論をしている2人を無視して、蓮は日陰の段差に腰を下ろしていた。 青い空を見上げながら、間抜けに口を半開きにしている。 「蓮くん聞いてよ!大和くんがズルするんだ!」 「ズルじゃないだろ!まったく宗ちゃんは昔から自分の負けを認めないよね」 「トラップあるのに!」 「もう勝負はつきました!」 口論がさらに熱を帯びてきた。 だが蓮はそんなことなどどこ吹く風で、彼らのほうを見もしない。 頭の中が考えでいっぱいで、彼らの話など聞く気にならないのだ。 考えとはもちろん夏澄のことである。 初めてのセックスは若き純情な少年の脳裏にはっきりと焼き付いている。 彼女との交わりを思い出すと、無条件に陰茎が大きくなってきた。 「あ、蓮くん勃起してる!」 「え?……ああ」 「性欲大魔神だ!」 大和と宗一は先ほどの口喧嘩などもう忘れてゲラゲラと笑っている。 呆然と自分の股間を見下ろす蓮は、ズボンの中に手を入れて勃起したペニスが目立たないように位置を調節する。 「そうだ!勃起といえば俺すごいこと知ってるぜ!」 「なに?」 「神田のじいちゃんの家の坂あがったところに廃屋があるんだよ」 「あるね」 「そこに大量のエロ本があるらしいよ」 「ほんと?なんで知ってるの?」 「カイリくんが教えてくれた」 「なんでカイリくんがそんなこと知ってるの?」 「カイリくん、まりなちゃんとそこにデート行ったらしいよ」 「あんなところでデート?」 「デートって言ったってあれだよ?セックス!」 「セックス!?」 宗一は顔を真っ赤にした。 にやにやとその変化を大和は見つめる。 「ほ、ほんとにセックスしたの?」 「うん、この前聞いてもないのに教えてくれた。どんなセックスをしたのかとか」 「どんなセックスしたの!?」 「そ、そんなに気になるの?」 宗一が大和に強く詳細を聞きだしているのにも構わず、蓮は大きくため息を吐いていた。 夏澄の笑顔や喘ぎ声、一糸まとわぬ肌色が忘れられないのだ。 どうしても頭に浮かんでしまう。 それほどまでに強烈な体験だった。 まだ茹だる頭が整理出来ない。 昨日の夜からずっとこの調子だ。 全身に力が入らないのだ。 今日の部活も腑抜けた態度を咎められ、コーチから17発という最多ビンタをお見舞いされてしまった。 だが彼の心にはぽっかり穴が開いている。 反省する気も後悔する気もない。 唇で触れた彼女の唇……。 また彼女にキスをしたい、そんなことを考えて蓮は自分の唇を指で撫でた。 今日の女子バレー部は午後練だったので会うことはなかったが、次彼女に会った時どんな顔をすればいいのか? 不安と期待が入り混じる。 「おい蓮ちゃん」 「……ん?」 「今度宗ちゃんとエロ本ハントに行くんだけど、蓮ちゃんも行くよな?」 「……エロ本?」 「そうだよ、これで蓮ちゃんの欲求不満も解決するんじゃない?」 大和は冗談めかして言ったが、蓮の目は本気だった。 少しでも性という概念に触れたいと、気持ちが駆られている。 今まではこんなことなかったのに、夏澄の肌に触れて蓮という人間が変化させられてしまった。 「行こう、いつ行く?今日?」 「あ、いや……今はまだ明るいし、今日の晩ごはんハンバーグなんだよね」 「僕も今日はからあげとパスタだから……」 「だから?」 「楽しみにしてたんだ、お腹いっぱい食べたいし満腹で外に出たくない」 「僕も」 「そっか……じゃあ明日はどう?部活が終わった後一緒に行こうよ」 「それならいいよ」 「うん、いいよ」 「よし、決まりだね」 「……そんなにエロ本が欲しいの?」 「そんなことはないけど……興味はある。2人もだよね?」 「当たり前だよ、いやぁなんだかワクワクしてくるね!」 「ぼ、僕は別にそんなことないけど……2人が行くなら付いていくよ」 「おっ!むっつりスケベの宗ちゃんがまた逃げを打ってるぞ!」 「そんなんじゃない!!」 蓮も大和と一緒に笑った。 なんだか元気が出てきたのだ。 だが……一抹の不安もあった。 エロ本を手に入れて自分を慰めても、その本には夏澄の写真はない。 もう1度、蓮は夏澄とセックスがしたかった。 あの時次のセックスの約束をしてなかったことを後悔する。 しかし過ぎたことは仕方ない。 また膨らんできたペニスの位置調整して誤魔化しながら、蓮はバッグからカードケースを取り出した。
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