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Ⅳ.私達の着地点(1/5)
宮岡と話して分かった、『ロスト・アングル』の真相。
でも正直、私はこの書き間違えにも愛着を持ってしまっている。
だって、こんな落書き無かったら、私は宮岡をすぐに思い出せていない。
自分が高校で大したことないって感じて打ちひしがれた時、この言葉に教えられたことも、多分にあった。
自分を見失っていたんじゃないかと気付かされて、自分で自分の足元を見て背伸びせずに生きられるようになったのも、今となっては良かったと思う。
宮岡がくれたこの『ロスト・アングル』の金言は、私の人生を変えてくれたターニングポイントになったんだ。
それに『落書き野郎』からの『爽やか正直少年』へのイメージチェンジは、とんでもないギャップを生んで、私をより強く惹き付けた。
ギャップってすごいよね。世界はギャップで出来ているよね、本当に。
もうここまで来たら、私は何にも隠しようがない。
再開してからたったの二日。惚れっぽいわけじゃないんだけれど。
私は確実に、宮岡のことが好きだ。
こんな乙女成分が自分に残っていたなんて、思わなかったよ。
いやあ。
唐揚げなんて食べてる場合かな。私食べられるかな。
もうなんか、胸いっぱいなんだけど。
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