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この年齢特有の仁王立ちをして、骸骨の縫いぐるみを両腕で抱き締めるように抱え佇んでいた。
(なぜ、ガイコツ……)
それより、下調べしたはずなのに、子供がいたとは。見逃していた。
(それにしても、この子、少し痩せすぎちゃいねぇか。背もちっちゃいし、ちゃんと飯食ってんのか?)
「探し物が、見つからないの?」
可愛らしいが、小さく、か細い声で幼女が喋った。
「あ、ああ。中々見つからなくてね」
幼女はゆっくりと視線を落とし、引き出しの中身が散乱した床を見た。
「こんなに散らかして、お父さんに叩かれちゃうよ」
再び俺の顔を見上げると、「ちゃんとおかたずけしてね」と言って屈託のない笑顔を見せた。
なんて可愛らしい子供なんだと、一瞬心を奪われそうになった。
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