#66『影』

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青年はそう言って招き入れた。 それを眺めているアートラータが眉をひそめる。そして、空間魔法を使ってある部屋の前にやってくると、扉をノックする。 「あぁ、どうぞ。」 「失礼します。」 「どうした?」 「今、下に来客がいるんだけど、見た感じ友好的だから、トリヘックスじゃなくてディスカリータの可能性があるかなって。」 「中にいるのか?」 「えぇ、そう。小さい男の子と女性が。」 「あぁ…あの二人か。」 コルボーはアートラータから、その話を聞き何か思い当たる節があるのか腕を組み、話し始めた。 「停戦協定を結ぶというのは、本当だったのか。」 「停戦─何ですって?」 「協定だ。トリヘックスの一般人を巻き込んだ襲撃に黙ってられなくなったんだろう。」 「誰が?」 「ディスカリータの頭だ。」
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