#88『夜叉と阿修羅と龍』

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「コレには訳がありまして。いやはや…私達の方から依頼したんですよぉ…。」 「どういう旨の依頼?」 「事情を知っている子のことを教えるから危害は加えないことをこちらの条件…としまして。軍関係者さんは…六人の行方と目的云々…の情報を求めてまして。」 「……ここ最近軍関係者が出入りしていることは?」 「あぁ、それは私の意志。依頼云々は一切関係しないよ。」 「なぜ軍が手を出すのよ。」 「機密情報を探るのはよしてよ。一般人には話せないような案件も抱えてい─。」 「司令官あんまり煽んないで─。」 洪の絶叫に近い訴えが途切れる。アルテミシアは目を細めニコリと笑った。 「うーん拘束魔法…。どういうつもりかな?」 「売られた喧嘩は買う主義よ。」 「あぁもうほらぁ!司令官、この人夜叉の異名持ちなの!」 「夜叉?え?元ヤンってこと?」 「は?」 「そんな顔しないでよ〜、怖いなぁ〜。ていうか喧嘩は私にも売らない方がいいと思うよ?」 「ユイトくんタスケテェ…。」 「無理です。」 「ムリカァ…。」
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