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“韜晦の龍”。シャーロット・オルティス。彼女もまた異名持ちの一人であった。じっと一点を見つめて先程の出来事を回想していた。
─連絡するほどの何かが起きている訳でもないですが、どうも気になりますね。サナーレさんが洪さんに強い反応を示していた。西部校の夜叉の異名持ちな訳ですし、そこらに因縁がある相手がいてもおかしくはないですが…。─
オルティスは、珍しく険しい表情を見せる。そしてため息をついて、端末を手に取り誰かに連絡を入れようとする。
「ほいほーい、もしもし〜?チャーリーどうしたの?」
[…そちらはお変わりないですか?]
「え?まぁ…。本当にどうしたの?」
[嫌な予感がします。]
「…嫌な予感?…まぁ私の身内にちょっと最近様子がおかしい子はいるけど最近落ち着いて─。」
[マノ。]
「何?」
[用心してください。]
「え?」
[いざというときは、その自己犠牲の精神も放ってください。]
「……もしかして、軍の人がいたりする?今どこ?」
[医務室です。]
「すぐ向かうよ。流石に直接話さないと…。」
カラニは通話を切らず、早歩きで医務室へと向かう。
シネスティマタ校は、保健室、校長室の二つだけは共通しており、それぞれの部屋への扉にはポータルが展開されている。会おうと思えば会える環境なのだ。
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