1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ディスカリータの研究者様や戦闘員さんにはお世話になりました。」
「うぅん。コレは私の立場が不利かな。」
ひらひらと扇ぎながら、アルテミシアは手を挙げる。降参の意を示しているようだ。彼女は笑みを浮かべて言葉を連ね続けた。
「いや、すまないね。生徒さん達は流石名門の出身ということもあって、非常に優秀だったよ。口を割らない。いやいや、私もね、拷問はしていないさ。何も犯罪を犯したわけでもなければ、脅かすようなこともしていないんだ。するつもりもないし、脅しとして拷問というワードを使ってはいない。そうだろう?フォルフさん?」
「は……はい?」
「おっと、校長殿は真っ先に私が気絶させてしまっていたんだった。失敬失敬。……うぅん。話をするにしては少々邪魔かもなぁ。校長殿は読唇術を心得ているかな?…ふぅむ。」
アルテミシアはトントンと爪先で地面を叩く。その音だけが響き、校長室には形容しがたい雰囲気が漂っていた。その様子を黙って見ていたミセリコルディアだったが、突如ゾワリと寒気が背中を襲う。
最初のコメントを投稿しよう!