1人が本棚に入れています
本棚に追加
「何してるんだそこで。」
「おや、そちらこそ何をしているのかな。朕はこの子を─。」
「『助けようとしてる』なんて言わないですよね〜?」
青年と女性がやってきた。青年は濡れ羽色の髪の毛を持ち、黒い服を見に纏っているせいか、闇に紛れてよく見えない。一方で女性の方は、淡い銀色の髪に爛々とした碧眼で異様な雰囲気を纏っていた。
「おやおや…君達は何者かな。」
「名乗る道理はないと思う。」
「うぅん。後もうちょっとで奪えそうだったのに残念無念。邪魔だよ君達。救いを求めている人間に手を差し伸べることの何がおかしいんだい?」
「俺にはそう見えなかった。」
「君らの意見を押し付けるなんて、烏滸がましいね。朕と君は違う存在じゃないか。」
「ごめんね〜。やばい宗教に構ってる暇はないんだって。」
「やばい?表現の自由を縛るなんてなんて愚かしいんだ。かわいそうだね。何よりこの子の意見を聞かないうちに色々言うのは…馬鹿げていないかな?」
マルクはチラッとシャッテンを見つめる。
「…どうやって見つけたんですか。」
「俺は『陽』がないところを辿ったまでだ。」
「そしたらビンゴだよ。警察からのリーク情報に君のことが書いてあった。あの宗教団体そのものもそこそこやばいけど、何より君がやばいってね。」
「…あぁ、そう。」
シャッテンは、適当に流した。マルクがヤバかろうが、助けにこられようがどうでも良かったのだ。シャッテンは虚な目で月を見つめた。
最初のコメントを投稿しよう!