仮面舞踏会

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さぁ、妃。 そのお手を拝借。 そのリズムに腰を委ね、踊らせる。 情熱よりも赤い口元が笑ってくれるから。 軽やかで艶やかで妖艶なうねりに導かれ、 ただ進んでいく。 帝が手を引くように見え、本当は妃に操られる。 紫の仮面の奥の涙が溢れる。 それも気づかず、 赤い仮面の妃は帝の手を離れ消えゆく。 まるで自分の愛した人のように。
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