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「ちょっと、怖いこと言わないでよ、こんな状況で」 由美は少し泣きそうな声だった。 「酷い事故だけど、それだけじゃないないんじゃないかな。こんな状況で、オレもちょっと過敏になってるのかもって、南さんを見たときは思ったんだけど、片瀬も三木も同じだろ?」 二人は少しの間無言になった。 「あれ?マミやん?どこいったんだろう」 由美はふと思い出した。 「青木と・・・えっと鎌田もまだどこにいるのかわからない。それに裕也も・・・」 博明の言うようにバスから降りたみんなの行方がわからなくなっている。 由美は背中に寒気が走った。 何かがおかしい。 2人は周囲を見回したが誰の気配もしない。バスの外には、死んでいる三木と片瀬を除いて他に5人いるはずなのに誰の声もしない。由美と博明2人だけの声が響く。
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