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「青木君たちどこにいるのかな?」
「どこかに隠れて俺たちを狙ってるのかも知れない」
――青木たち1年生はサークルに入って半年くらいで正直まだよく知らなし、なんとなくガラの悪い奴らであまり好きじゃない。一年生の誰かが部費を払わないとかって問題になってたし、金目当てで騒ぎに乗じて強盗をやってるのかも知れない。あいつらどこにいるんだろう。
「あっ」
由美は、マミやんが歩いてくるのに気付いた。
「由美さん、博明さん大丈夫でした?」
落ち着いた様子でマミやんがやってきた。
「マミやん、大丈夫だったの?」
「はい、私は。青木くんたちを探してたんだけど見つからなくて。もしかしたら青木君たちあっちのドアの方にいるのかも」
マミやんが指差した先を見ると、駐車場の隅にドアがあった。バスが燃え上がるまでは暗くて気付かなかった。
マミやんは殺人事件が起きていることに気付いていないのかも知れないと、博明は考えた。
「なぁ、マミやん。落ち着いて聞いてほしいんだけど、もしかしたら殺人犯がいるかもしれないんだ。三木と片瀬、南さんや裕也も、ナイフで刺されたみたいなんだ。それで俺、考えたんだけど、まだ青木と鎌田がどこにいるか分からなくて・・・、あいつらがみんなを殺したんじゃないかって!今もまだ隠れて俺たちを狙ってるのかも・・・!」
「え・・・。本当ですか?じゃあ、あそこにドアの向こうに青木たちが隠れてるかも。博明さん、私と一緒に見に行ってくれませんか?由美さんは危ないからここで待ってて下さい」
博明はゴクリとつばを飲み込んだ。バスの炎で照らされた周囲を見回すが見える範囲には青木も鎌田もいない。
――ドア向こうだ。の周りをいよいよ直接対決か。やってやろうじゃないか・・・!
ポケットに手を入れて、折りたたみナイフを握り締めた。
「わかった。行こう」
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