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「イタイ」
前の方の席に座っていた女性がガラスに当たったのだろうか。苦しそうに声を上げている。
「誰かこっちに来てくれ、座席が曲がって出れなくなってる!」
サークルの部長の斧田さんが前方から呼んでいる。博明と裕也が向かうと斧田部長は腕から血を流していた。
「すまない、腕が痛くて俺じゃダメだ。代わりに席を動かしてくれ」
助手席側の先頭から1番目の席は完全に潰れて背もたれが2番目の席を扉のように覆っている。
「これって?」
「しーちゃんなんだけど・・・、返事がないんだ」
博明は最悪のことも考えながら、裕也と二人で邪魔な1番目の席をどうにか動かした・・・。
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