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裕也が外に出ていって、ほんの少ししたあとで外からマミやんが戻ってきた。
「すいません、誰か手伝いに来てももらえますか?」
「手伝い?外ってどんな状況なの?」
おかっぺがマミやんに質問した。
「この建物相当ボロボロになってて、コンクリートとかの瓦礫で建物の外に出れなくて。バスが突っ込んできたあたりも塞がちゃってて。瓦礫をどかそうとしたんですけど、片瀬くんと三木くんが下敷きになちゃって」
片瀬と三木は1年生で、青木の子分みたいな奴らだ。
「青木くんと鎌田くんで二人を助けようとしたんですけど動かないって、力を貸してください」
「わかった、オレが行くよ」
おかっぺが答えた。
「じゃあ、私も行く」
となりにいたリンちゃんがそう言うと二人で話し始めた。
「危ないからお前はここで待ってろよ」
「でも怖いから。・・・置いてかないでよ」
二人が話している間に博明が質問した。
「バスからガソリンが漏れたりしてなかったか?」
爆発するとか最初に話していたことがまだ気になっていたのだ。
「すいません、まだバスの周りは見てなくて。すぐに出口の方にいちゃったから」
博明は不安な所を確認しておかないと気になって仕方がない。
「じゃあ、俺が見に行っていいかな?おかっぺ、リンちゃん、もしよかったらなんだけど巻田のこと代わりにみてくれないか?」
「わかりました、それでいいっすよ。リンのことも心配だから」
そして博明は外に行くことにした。
「私も行く。裕也のことが心配だし、巻田君の方はだいたい落ち着いたから」
そう言って由美もついていくことにした。
巻田の近くにいた由美の靴の裏にはガラスの破片が無数に刺さっていて、バスの中を歩くとジャリジャリと音がした。ガラスだけではない。由美はバスの通路に付いたいくつもの血の足跡を恐ろしく思った。最後尾の席付近にいたマミやんの靴も血だらけになっていることに気付いた。
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