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入口
バスは駐車場の意外と奥まで突っ込んでいて、駐車場の奥の方にある仕切りのような壁にぶつかって止まっていた。小走りで走って入口に着くとマミやんは瓦礫のあたりを見回した。
「確かこの辺りなんですけど・・・。三木くーん!青木くーん」
マミやんが三木を呼ぶ声が響いた。
薄暗い中を3人で手分けして探した。
「2人ともこっちに来て!」
由美が何か発見したようだ。
「これって・・・、片瀬か!おい、大丈夫か?!」
コンクリートに下半身を挟まれた片瀬を見つけ、博明が呼び掛けたり肩を叩いたりしたが全く反応はなかった。
「あっちに三木くんもいる!」
上半身が半分くらいだけ瓦礫から出ている三木も見つけたが、同じく反応がない。そして気になったのはどちらも腹から大量に出血していることだ。
「このお腹の傷って、三木はわからないけど、片瀬の方は明らかに瓦礫やコンクリートと別にできた傷だよな?」
博明は由美に確認するように聞いた。
「えっ?どういうこと?」
「もしかしたらだよ。もしかしたらだけど、これって事故じゃなくて、誰かに殺されたんじゃないか?」
「なに言ってるの、博明・・・」
「南さんの怪我、見た?」
「覚えてる・・・。っていうか忘れられないよ。南ちゃん、首からすごい血を流してた。まだ止まらないじゃないかってくらいに、真っ赤な血」
「南さん席ってガラスが割れた訳じゃないし、すごい衝撃だったけど、あの席であんな怪我をするのは不自然だと思ったんだ」
「それって、誰かが殺したってこと?」
薄暗がりのなか、博明は静かに頷いた。
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