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衝突
博明の乗っていたバスがビルに突っ込み、雷に撃たれたような轟音を立てた。一瞬、視界がスローモーションのようになる。
同じサークルメンバーたちの悲鳴が聞こえた。
「大丈夫?」
博明の隣に座っていた由美に聞いた。
「う、うん、何が起きたの??」
「バスが急に曲がってビルに突っ込んだんだよ」
後ろの席の裕也が立ち上がって教えてくれた。
前の方の席のガラスが割れている。運転席は壁に突っ込んで潰れたようになっている。
バスが突っ込んだのはビルの駐車場のような場所だが、大半は崩れたコンクリートに覆われていたのと駐車場の照明が消えてしまって暗いせいで外の様子はよく分からなかった。バスの中は自動で非常灯に切り替わったようで周りが見えた。
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