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いつも馬鹿やっている大嫌いなあいつが、また家に来た。
いつものように、いつもの椅子に座って、タバコに火をつけながら。
相変わらず目つきの悪い(生まれたときかららしい)眼で、煙を吐きながら遠くを見ていた。
「来るなら電話かメールくらいしろよ」
「したわー。雄太郎っちお前やろ?雄太郎てちゃあんとかいとる宛先にメールしたわい」
「は?僕には届いてないんだが、どこの雄太郎に送ったんだよ」
「俺のスマホに雄太郎ち登録しとんの。お前だけやわー。。。あ、送れてなかったぽい」
「くそが。。。今更送ってこなくていいんだよ」
「自分で言うといて何なんやお前―。。。はぁーだる。。。」
僕のスマホに(入るけん開けとけや)という短文が届いた。目の前にいるやつからな。
何故にこうも横暴な態度。横暴?もっと違う言葉。野蛮だな。
「この季節なるとさ、中学ん時いじめられちょったやつ。思い出すんよ」
「中学?かなり昔のことを、未だに思い出すんだな。もう10数年前だぞ」
「うん。毎年。思い出す。その度に、俺。立派なれたんやろかとか、思う」
僕のほうを一切見ようとせず、彼はタバコをふかしながらぼそぼそと喋っていた。
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