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3日後、計画は途中まで上手く行っていた。SPもボディガードも居ない。確かに中には罠が沢山あった。しかしそれは踏むと落ちる床とか、落石とか科学者らしくない粗末な作りだった。
「順調に行き過ぎてて、怖いですね」
「気を引き締めろ……!お前はAIだけどな」
正直言って、違和感しかなかった。中は生活感の欠片もない。食器とか本が少ないとかの次元じゃない。机やソファー、テレビやAIロボットの1つもない。
人が住むには、そこは寂し過ぎた。
「博士はこの書斎の奥にいる……入るぞ」
「OKです」
ドアを蹴飛ばす。最奥の部屋でこれ以外の部屋は全て確認済み。博士がこの家に入ったのも前日に確認しているから、逃げようはない。
「システム、キドウ」
「!?」
鼓膜が破壊されたと間違える程の音量。そして響音。目の前にいる巨大な機械。見た事がある。テレビで何度も。
「これってプロトタイプの『ノウナイ』!?なんでここに……」
「ハカセ、ドウシマスカ?」
俺とホノカは恐らく、動揺したのだと思う。人間である俺はともかくとして、AIのホノカすら動揺したのは、親を慕う心でもインプットされていたのだろうか。
博士、ニシダケイゴはぐちゃぐちゃになって死んでいた。
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